NHK『ニュースウォッチ』6月17日放送分 富野監督出演分文字起こし








タイトル通りです。
NHKがHPで「アニメーション監督 富野由悠季さん『ガンダム』に込めた思い」と題して記事をアップしていますが、放送版とは若干内容が違います。特に今後についてとか。

なので、放送版の文字起こしを残しておきます。NAはナレーションです。

中見出しは、読みやすくするために私がテキトーに入れたものです。
ではでは。

防空壕での記憶


NA:大阪関西万博で展示されているガンダム。今も世界中で多くの人に愛されています。そのガンダムの原作者として知られる富野由悠季さんが戦後80年となる今年、インタビューに応じました。作品に込めたと語るのは、自身の戦争体験をもとにした戦争のリアルです。

NA:人類が宇宙に進出した未来に起こる人間同士の戦争を描いた『機動戦士ガンダム』。1979年にテレビアニメとして放送されると、ロボットアニメ にとどまらないリアルな人間模様などが爆発的な人気を博し、日本が世界に誇るコンテンツになりました。

富野監督(以下富野と表記):戦後80年なんですけれども 僕今年83(歳)なんですよ。

NA:ガンダムの生みの親、富野由悠季さんです。半世紀にわたって精力的にアニメの制作に携わってきた原点には、さきの戦争の記憶がありました。

NA:1941年に神奈川県小田原市で生まれた富野さん。3歳の頃、目の当たりにした空襲を今も覚えています。

富野:ただ一生懸命防空壕に逃げる時に、好きな絵本を2、3冊抱えて走って行った。防空壕の入口にしか座れなくて、奥の方はいっぱい人がいるわけ。防空壕の所にゴザ、ゴザの風よけがぶら下がっているのよ。そのゴザがこうやって揺れているのがとても怖かったっていう印象しかない。

制作する上で大切にしてきた「戦争のリアル」


NA:自宅の近くには電池を作る軍需工場がありました。戦後、物心がつくにつれこの工場が空襲されたことの意味を考えるようになったと言います。

富野:バッテリーが山積みになっているような景色をずっと見ていたんですよ。これ決定的に軍需産業品なんだってことが分かると、単純に戦争と言うんだけれどもそこにはやっぱり産業というものが張り付いているので。補給物資が必要だ、それがなかったら戦争ができないということなんだと。

NA:富野さんがガンダムの制作で大切にしてきたのはこうした戦争のリアル。それが現れているのが、地球連邦軍の拠点で巻き起こる冒頭の戦闘シーン(ファースト第1話冒頭、サイド7での戦闘のこと)です。

富野:ガンダムで一番初めに出会った敵っていうのが、ザクというモビルスーツがハナから3機揃って出てくる。そうするとこれは量産機。軍需産業があって、工業体制があって、大量生産ができるというシステムがなければいけない。だからやっぱり国家間戦争というものを描くしかないんだよね。

自作以外のガンダムシリーズに抱く思い


NA:ロボット同士の戦闘であっても、戦うのも犠牲になるのも人であるという戦争の理不尽さを描きました。

NA:ガンダムの制作から46年。富野さんは作品が人気を博す一方、ある葛藤を抱くようになったと明かしました。

富野:ガンダムが好きで出てくる言葉っていうのは、やっぱり「モビルスーツ戦っていうのが格好いい」です。今言ったような視点ではないんです。今、僕の後輩って言われている人たちがガンダムを作ったりなんかしてて、(その作品群には)戦争体験の匂いがしないんですよ。まず完全に物語なんです。これを若い子たちに教えることができるかって言うと、僕はそういう意味では教育者でもないので、そういう言葉遣いを発見することができなかった。

NA:さらにリアルな世界で起きている戦争が、自身の想像を超え始めていることに危機感を覚えていると言います。

富野:モビルスーツと言われている兵器は、現在の戦闘機以上に高性能なものなんです。そんなものを使って戦争をやるという時に、ドローンが出てきちゃったんですね。人が操縦している兵器は必要でなくなっているんですよ。

今後の作品について


NA:最後に今後の創作活動について尋ねると、富野さんが語ったのは戦争とは何か考え続けることの大切さでした。

インタビュアー:富野さん、次何か作りたいものはあるんですか?

富野:作ろうと思っているものはあります。今現実的に我々は、ウクライナの戦争がもう3年間続いている。イスラエルでの紛争っていうのは30年、40年続いている。我々がそういうものを理解しているかと言うと、あまりしていないような気がする。この社会的な行動というものを、人類が辞めることができるのかっていうのが、それはテーマになります。





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